マインドフル・ワークまとめ
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2015年出版の『マインドフル・ワーク「瞑想の脳科学」があなたの働き方を変える』
<本の特徴>
現在、マインドフルネスの本は、数十冊と出ている。そして、そのほとんどは、やり方や効能を中心に紹介しているものだ。
しかし、この本はやり方ではなく、マインドフルネスがどのように利用されているのか?どのように受け入れられているのか?
ということを、企業、スポーツ、教育、医療への自らの取材を通して、明らかにしているのが特徴です。

<マインドフルネスの利用事例まとめ>
ということで、この本の一番の価値は、その取材により明らかになった事例です。
そこで、以下、マインドフルネスの利用事例をまとめていきますね。
企業編

始まり)
幹部社員がマインドフルネスの熱心な実践者だった
発展)
技術担当責任者が、マインドフルネスの大きなイベント「ウィズダム2.0」に参加し、そこの主催者と知り合い、ユーザーが不適切な写真を報告するシステムの改善を一緒に取り組むことに。
結果)
・あらかじめ決められた定型文を用意し、そこにオプションで感情を表現できるようにした。
・メッセージを思いやりのある形にした。
これにより、写真が消去される率は3分の1から、約50%に上昇した。
・インテル(世界第一位の半導体メーカー)

始まり)
管理職の人が地元のヨガとマインドフルネスの指導者と一緒にプログラムを企画。
発展)
会社はこのプログラムに7.5万ドルを投じ、1500人以上の従業員に提供されている。
結果)
受講生は、「より幸福で、クリエイティブになり、集中力も増し、同僚との共同作業もうまくいくよになった」と報告している。
・エトナ(アメリカ保険大手)

始まり)
CEOが、大怪我のリハビリ中にマインドフルネスに出会い、実施することでその効果を実感。
発展)
職場で、マインドフルネスを実施するために、マインドフルネスを指導するイーマインドフルという会社と医療分野の権威のデューク大学に協力を求める。
それで出来た12週間のマインドフルネストレーニングを1000人以上の従業員へ提供。
結果)
・ストレスと睡眠障害が大幅に改善
・医療費が従業員一人当たり2000ドル(20万円)下がった。計630万ドル。
・生産性が一人当たり3000ドル向上。投資の11倍のリターンだった。
・グリーン・マウンテンコーヒー(世界3位のコーヒー会社)

始まり)
創業者がマインドフルネスのクラスを経営幹部のために始めた
発展)
「マインドフル・ストレッチ」というヨガを組み込んだプログラムを開発し、5000人以上の現場作業員に提供。
結果)
現場事故件数の減少
マインドフルネスを導入してから株式時価総額は、最大15倍に。
◇生の声
・Kカップ製造機のオペレーター
「1日仕事の場合は、あれはとても大切だ。柔軟で軽快になるんだ。終業時に感じる辛さがずっと軽くなった」
「週の終わりの緊張感がじっと軽くなった。足の痛みも以前ほどではなくなったよ」
・グラフィック・アーティスト
「集中力は最大の助けになりますね。デザインの仕事というのは、どれだけ没頭できるかが鍵なんです。あと、前より直感的になりましたよね。作業段階で以前なら気づかなかったかもしれないことに気づくこともしばしばです。」
「微妙なレベルの話ですが、トレーニングをすることで、ベースとなる幸福感が向上した感じもします。職場に積極性を持ち込むことも大きいですよ。8年前に比べて働きやすい、とっつきやすい人間になったと思います。」
「マインドフルネスは会社から受けた恩恵の中で一番大きいですよ。」
・パタゴニア(世界的なアウトドア用品販売会社)

始まり)
創業者がマインドフルネスの実践者
発展)
新CEOにマインドフルネスな経営を伝授。
結果)
四半期重視の経営から、環境優先の経営にし、一時期売り上げは落ち込んだものの、その後、創業以来の成功を収めた。
従業員のための無料の託児所、オーガニック食品のカフェテリア、庭・デスクそばの犬用のスペース、アウトドア・ミーティングスペースの設置ファーストネームで呼び合う職場になり、求人のたびに1000人以上の応募が来るように。
参考記事)パタゴニア創業者「私はいつも地球に良いかを優先することで利益を上げてきた。」
・アイリーン・フィッシャー(女性アパレルメーカー)

始まり)
創業者が、マインドフルネスを1日5分やるようになり、その驚くべき効果を実感する。
発展)
従業員のためにマインドフルネスのクラスを始める
本社のすべての部屋に鐘を設置し、ミーティングを始める前に鳴らしマインドフルネスをするように
結果)
税引き後利益の少なくとも10%は、社員に配分されるように
材料をオーガニックコットンに
中国での生産に際し、化学薬品の使用を45%、水の使用を25%に抑えるように
現地の労働環境の改善を実施(給与の引き上げ、休日の増加、起業のためのトレーニング提供)
参考記事)仕入先の社員まで大切にする、超ホワイト企業 アイリーン・フィッシャー
医療編
・マサチューセッツ大学のストレス低減クリニック
始まり)
マサチューセッツ工科大学出身のジョン・カバットジンが瞑想合宿で閃き、医療目的で、開設
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出展:ジョン・カバットジンwikipedia
発展)
8週間のグループコースで、週1度2時間のセッションとコース中1回5時間のセッションがあり、参加者は1日最低45分間のマインドフルネスをする。
研究機関とマサチューセッツ大学マインドフルネス・センターを共同で創設。
結果)
患者は、病気への対処が非常に上手くなり、以前ほど痛みに悩まされなくなった。
現在、720以上の診療所ができ、受講生は数十万人に及ぶ。
スポーツ編
・シカゴ・ブルス、レイカーズ(NBAチーム)



始まり)
マインドフルネスに通じたフィル・ジャクソン(プロバスケで最も成功したコーチ)が、ブルズとレイカーズのコーチに就任。
発展)
呼吸のマインドフルネスの後、みなで呼吸のリズムを合わせる。
声を一切出さずに練習をさせる
暗闇の中での練習試合
結果)
すぐ気が散るチームだったレイカーズは、落ち着くようになり、五回の優勝をした。
バスケの神様 マイケル・ジョーダン
「言葉なんかより、ずっと効果的に深いレベルでチームを1つにした」
「リーダーとしての自分の役割と、集団の中での影響力により自覚的になり、今まで以上にチームメイトとのつながりを大切にするようになった」
・シアトル・シーホークス(アメフト)

始まり)
監督が、マインドフルネスを導入。
発展)
パットを装着して、激しくぶつかり合う前に静かに座って瞑想する。
結果)
シーホークスは2014年のスーパーボウルで勝ち、全米No,1に。
年俸約50億のラッセル・オークン
「マインドフルネスは、ウェイトリフティングやフィールドでの練習と同じくらい大切だ。」
「それは自分の心を黙らせ、その瞬間だけ、外の世界がまったく気にならなくなる状態に浸ることだ。」
教育編
・カリフォルニア大学サンタバーバラ校
実験内容)
・学生48人をグループ2つに分ける。
A:健康的なダイエット法を指導するグループ
B:マインドフルネスを指導するグループ
結果)
Aは変化なし。
マインドフルネスのグループは集中力も記憶力も増し、読解テストの平均が460点から520点に跳ね上がった。
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以上。マインドフル・ワークまとめでした。
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